2010年9月7日火曜日
行政視察Ⅲ
行政視察3日目。広島県呉市を訪れ、「ゆめづくり地域協働プログラム」について視察をして参りました。今後の地域事情を考えますと地域の希薄化が問題視されております。これは核家族化やマンション住人が多くなったことで隣人の顔も名前も知らないということと、個人情報保護ということが原因でどこの自治体もこの問題には大きな課題として取り上げております。呉市ではそのような課題に市民協働を目指す取り組みをH16年からの長期基本計画で取り上げ、①自治会や NPOなど市民公共活動を活性化②行政運営の協働を目指す③元気な地域コミュニティの復活、以上3項目で住みやすいまち呉市を目指しております。具体的な内容としては呉市には28地区に分割され「ゆめづくり地域交付金」という制度のもと、各地区に交付金を交付します。自立した地域力を高めることを目指しているので各地区での企画に対し、行政は口は出さない!を徹底しているそうです。均等で一地区50万円。その他、人口割りで交付額が決定、最も多く交付される地域では年450万円の交付金ということです。他に市民まち普請事業という取り組み、これは市民が身近な公共施設の整備を自ら主体となって企画・実施する事業に対し、原材料等の購入経費を交付するという取り組みです。例を上げますとグランドや駐車場、花壇の整備など地域からの要望に行政が対応、整備後はその地域で、できる限り責任をもって管理するということです。活動拠点を確保、そこから人材育成に繋がるという考え方は品川区でも行ってはいますが、品川区と呉市の根本的な違いは財政的支援がないことです。予算が伴えば、新たな考えも出てくるだろうし、個々の向上心に繋がります。各地区の独自性を尊重し、祭りごとやイベント、防犯、防災といった様々な事業を展開すること、まちの公共施設に対する思いが変わることで個人の地域への思いが町会、自治会の入会率8割を達成したという結果に繋がったのだと考えます。因みに品川区の場合、法人を含め6割に満たないということです。地域性はあるので呉市の考え方がすべて良いとは思いませんが、自由に使っていい予算は魅力的です。そこからコミュニティの自立経営と地域力の向上が高まってくると思います。以前もブログで紹介しましたが、毎年、各13地域に100万円の予算を付け、実施している品川区の「区民まつり」ですが、何処も同じような内容で行われ、独自性はあまり感じられない気がします。この「区民まつり」という企画も何か品川区の押し付けにも思えてきてしまうのは自分だけでしょうか?せっかくの100万円という予算なので各地区の独自性を尊重してあげたらと思います。地区委員の方から「区民まつり」のことでそんな話しを伺ったのであえて言わせていただきました。